2011年10月27日木曜日

TOCORO BLEND COFFEE「AUTUMN」


TOCORO BLEND COFFEE「AUTUMN」のご予約をしてくださったみなさん、ありがとうございます。
珈琲と芋けんぴ、意外な組み合わせですが「AUTUMN」の酸味のある秋の味が、芋けんぴの風味と甘みに合っていておいしく、自分でもびっくりしています。
うれしい感想のメールもいただけて、今後の参考になりました。
ありがとうございました。

少量ですのでついつい一気に食べてしまいますが、まだ残っている方がいればそろそろ芋と砂糖が馴染んできて、食べやすい食感とやさしい風味になっているころだと思います。
時間経過による味の変化も楽しんでみてくださいね。


さて今回の芋けんぴに関しての情報をひとつ。

今回の芋けんぴに使ったさつまいもは、鹿児島県産の『べにはるか』という品種です。
この『べにはるか』は2年ほど前に品種登録されたもので、名前の由来は、「食味やいもの外観などの特徴が既存品種より「はるか」に優れることから」命名されました。

さつまいもの肉質には「粉質」と「粘質」の2つがあり、このべにはるかは「やや粉質」。
しかし糖度が高く、貯蔵して甘みが増してくると蜜があふれ出すこともあり、しっとりとした粘質のものになっていきます。

僕はまだまだ芋に関しての知識はないけれど、このべにはるかは、形といい、味といい、色といい、とても「さつまいもらしい、さつまいも」だと思い、今回使用しました。
芋けんぴにしてみても、しっかりとした芋の風味は感じられ、その肉質と糖度により揚げ方を変えることでいろんな食感にできると感じています。

これからしばらくは、この『べにはるか』で芋けんぴを作っていこうと考えています。
さつまいもの特徴も合わせて、芋けんぴのおもしろさを伝えていきたいです!

2011年10月22日土曜日

伊藤軒 千本




今日の芋けんぴ。

【千本】
メーカー 株式会社 伊藤軒
所在地  京都市南区東九条中殿田町16−1
参考価格 315円
内容量  140g


京都にある伊藤軒さんの千本という商品。
ある人が「京都に皮付きの芋けんぴあったよ。食べてみて。」と言って買ってきてくれました。

皮が全体的についている芋の端っこの部分は入っていないけど、たしかに棒状の先端に皮がついています。まあ皮がついてるからどうだ、ということではないですが。

千本という名前で連想できる細切りのこいつ。
食べてみると、

あ、おいしい。

『生地を揚げる際に砂糖も一緒に揚げる独特の製法で仕上げました』と言うとおり、味も食感も、あと見た目も独特でした。
味は、甘さ控えめ。そして砂糖と一緒に揚げている効果か、独特の香ばしい風味がついていておいしいです。
食感も芋けんぴならではの中が空洞になる揚げ方をしているのですが、けっこう固め。
砂糖のしみ込んだ層がなく、揚げた芋のポリポリとした食感がダイレクトに伝わってきました。

いやー、おそれいりました。
この商品、ぼくは全く知らなかったんですがこんなのがあったんですねえ。
まだ見ぬおもしろい芋けんぴ、まだまだありそうです。
楽しみだなあ〜。

2011年10月20日木曜日

永谷園 生姜芋けんぴ




今日の芋けんぴ。

【生姜芋けんぴ】
メーカー 株式会社 永谷園
所在地  東京都港区西新橋2丁目36番1号
参考価格 210円
内容量  140g




芋けんぴのメーカーというと、今までは見ても知らないところばかりだったけど、お茶漬けでおなじみの永谷園が芋けんぴを出したと聞いてびっくり!
これは芋けんぴの波が来てるか?と探りを入れるため購入。

というか、twitterで「永谷園の芋けんぴ、探してます」とつぶやいたら、優しい方が買ってきてくれました。ありがたし。
コンビニのサンクスで売られているみたいです。

どうもこれ、検索してみると永谷園の生姜部という部活動の一環で作ったシリーズみたいです。
なんかコンビニとかで、そういうちょっと遊び心を感じさせる商品をたまに見かけます。
以前セブンイレブンで見かけた「けんぴっちょ」という商品。
あれは衝撃だったなあ。いろいろと。





けんぴっちょ

話を戻してこの生姜芋けんぴの感想。
まず、肝心の生姜が弱い。

おそらくは食べやすさを考えてこのくらいの味付けにしていると思うんだけど、生姜のピリッとした辛さは全く抑えられています。
食べやすいんだけどねえ… それでいいのか、生姜部よ。

これは生姜にかぎらず、すべての食材に言えることなんだけど、一体その素材「らしさ」はなんなのか、という問題。
例えばトマトで言うと、トマトの専門店などではよく「フルーツのような」トマトが売られています。
とにかく甘い、これはトマトなの?って驚きのあるトマト。
トマトのおいしさを何に求めるかは、人それぞれだと思います。

僕の場合は、ちょっと酸味があって青臭い感じもあるトマト。その味がギュッと濃縮されてるトマトが、トマトらしいおいしさだと思っています。
僕が作る芋けんぴも、そういう芋けんぴがいいなあと思っています。

芋らしい芋けんぴ。

2011年10月17日月曜日

芋けんぴを揚げる

芋けんぴの作り方を公開する準備を進めています。
今日は揚げてるところの動画を試験公開。
最初は芋の水分があるから泡だらけ!

水分が無くなってくると芋が浮かんできます。

仕上げのところ。最後に強火にするとどんどん温度が上がります。わかるかな?


揚げ方ひとつでも泡の状態、芋の堅さ、音、温度、火の強さ、案外わかりやすく説明するのは難しいです。何回もやってみると感覚でわかってくるんですけどね。その辺り人間の感覚ってすごいよなあって思います。

でもはじめは、わかりやすくちゃんと作れるレシピにしたいですね。
一度ちゃんと作れたら、そこから芋の状態がわかってくると思います。

だいぶカラッと揚がってきたなあ、とか。
今日はこんな揚げ方してみようかな、とか。
この芋はずいぶん水分多いなあ、とか。

芋の気持ちがわかってくるとおもしろいだろうなあ。

2011年10月14日金曜日

はじまるトコロ

tocoro cafe」というカフェが三軒茶屋にあります。
エスプレッソと茶道の精神を融合させた珈琲と空間が味わえるカフェです。

今年6年目にしてtocoro cafeオリジナルの珈琲豆『TOCORO BLEND COFFEE』が発売されました。
これは春、夏、秋、冬、それぞれをイメージした味になっていて、おいしいお菓子と組み合わせながら、自分の家で淹れる珈琲で季節感を感じることができます。

焙煎は、「ねじまき雲」さん。
同じ意志を持ち合い、長い時間をかけて信頼と試行錯誤をくり返す。
この組み合わせがあってこそ生まれたのが『TOCORO BLEND COFFEE』なのです。

15日から秋の味「AUTUMN」が発売されます。
秋の味覚、芋や栗をイメージさせるスッとした酸味と甘みの余韻。
この秋味珈琲の初回予約分に、「flip-flopと」として初めて芋けんぴを出すことになりました!
昨日受け渡しも完了し、あとは予約してくださった方の手元に届くのを楽しみに待っています。


ここまで来るの長かったなあ。
tocoro cafeさんに出会って4年目。
それはちょうど芋けんぴを作り始めた頃とも重なっていて、初めて訪れた日のことを今でも鮮明に覚えています。


あれは2007年の2月。
1月に東京に出てきておにぎり屋に勤め始めて、まだその毎日に馴染んでない頃でした。
tocoro cafeの存在は、内装を手がけた小泉誠さんの関係で知っていて、ふと場所を調べてみると、通い始めた職場の途中にあることに気付きました。

遠い存在だったものが、突然目の前にあった。
こんな偶然がすべてのはじまりだったのかもしれません。

ある日の仕事が終わった帰りに、お店に足を踏み入れました。
先客に女性が一人いて、両手で器を包み込み、きれいな姿勢でおいしそうに『泡ラテ』を飲んでいました。
僕は恐る恐る『トコラテ』と『チーズケーキ』を注文。
待っている間の静けさと、店主の上村さんの端正な所作。
背筋が伸びるような緊張感だけど、なぜか心地よい。
ほのかな照明と上村さんの人柄があたたかい空間を作り出し、初めての場所なのに話が弾みました。
先にいた女性があまりにもおいしそうに『泡ラテ』を飲むので、「次は僕も泡ラテを」と言って店を後にしました。

店を出てしばらくは、「なんだこれは!」という衝撃と、あたたかで幸せな余韻のなかで「僕にもこんな気持ちを味わえるんだ。本の中だけだと思ってた。」という想いを感じていました。

後日この言葉にできない衝撃を、素敵な文章に置き換えた本に出会いました。
これもtocoro cafeさんがつなげてくれた本で、川口葉子さんの『カフェの扉を開ける100の理由』。その本の1章に「カフェに天使が舞い降りるとき」という一節があります。
ちょっとだけ抜き出して、
働いてる人々がその場所を好きで、働くのを楽しんでいること。座っている人々がその場所を好きで、自由に楽しんでいること。「いまここにいることが嬉しい」という幸福な相思相愛が生まれている場所に、カフェの天使はふわりと舞いおりる。


それから幾度となく僕の前に天使が舞いおりてくれて、次に進む力をくれました。
芋けんぴの制作もそうやって、一歩ずつ。
上村さんに試食をしていただいたりもして、三歩進んで二歩戻る。
ずいぶんゆったりとした足取りだったけど、ようやくここまで来れました。

上村さん、おいしいケーキを作ってくれる直子さん、出会った方々、予約していただいた方、みなさんありがとう。
これからもよろしく!

2011年10月12日水曜日

芋けんぴの移動販売

僕が芋けんぴで目指している目標は2つあって、ひとつが、
「家で芋けんぴを作る人が増えること」
なんだけど、もうひとつが、
「街に芋けんぴ屋のある景色が増えること」
です。

なんでかって言うと、僕とは全然違う考え方でやってる芋けんぴ屋が現れたらおもしろそうだし、そんな人と芋けんぴ談義したら楽しいだろうなあと思って。
そしてそんな芋けんぴ屋がある街は、きっと楽しい景色になると思うんです。

そのために、より多くの人に芋けんぴのおもしろさを伝えたいと思い、考えたのが芋けんぴの移動販売でした。
移動販売で、車のなかで調理できるようにすれば、いつでもどこでも芋けんぴを作ることができます。

例えば、芋の産地に行ってその場で芋けんぴを作る。
芋の産地からすると、新しい芋の価値が見えるかもしれないし、芋けんぴからしても、新しい産地ならではの芋けんぴができるかもしれない。
おもしろそうなものに素直に、フットワークを軽くこちらから動いていけば、おもしろさが広がっていくだろうと思い描いています。


あとは何といっても青い空!外で芋けんぴを売れたら気持ちいいだろうなあと思うのです。
先日、国立でたい焼きを販売されている「たいやきや ゆい」さんのところに行きました。








その屋台の周りを取りまく空気がすごく良かった。
澄んだ空の下で、ひとつひとつ丁寧に焼いたたい焼きを買い求めて、常連さんや近所の方がやってくる。
焼いてる間の待ってる時間も、のんびりと気持ちよく、ゆいさんとお話しすることができました。

移動販売っていうと、車のなかでカレーとかクレープを売ってるイメージがあるけど、やりたいのは、こういうお客さんと同じ目線に立って、同じ空気を味わえるカタチにしたいなあ。


そんな感じで、移動販売のカタチを模索する日々です。

2011年10月7日金曜日

新芋

新芋の季節になりました。

先日、濱中さんのところで掘ってきた芋を早速芋けんぴにしてみました。
土を洗ってみると見事な紫色だったので、パシャリ。
品種は一般的な紅あずまなんですが、堀たてホヤホヤならではでしょうか。

さつまいもは、この時期10月〜11月が収穫の頃合いです。
しかし収穫してすぐよりも、2〜3ヶ月保存して熟成させた方がより甘みが強くなると言われています。
収穫したての芋は中の水分が多く、おそらく時間が立つことでその水分が抜けていき、甘みが濃縮されていくんだろうと思います。が、予想なので誰かさつまいもに詳しい人に聞いてみたいですね。

それでも新芋は新芋で、切った時の感触はサクッと軽く、じゃがいものようです。
味もなんだかフレッシュな癖のない風味のようで、これはこれで一年に一回のものとして楽しめます。

さつまいもを切った感触で、季節の移り変わりを感じるのもなかなかおもしろいです。

2011年10月4日火曜日

芋けんぴを作る

芋けんぴを作ろうと思ったきっかけは、ほんのちょっとした好奇心からでした。
作り方をネットで調べてみると、
「さつまいもを細く切って、油で揚げて、砂糖みつにからめるだけ」
らしいことがわかり、こりゃ簡単でいいやと思って作り始めたんだけど、まさかこんな大変なことになるとは、この時思いもしませんでした。

調べたレシピで作ってみても、イメージ通りのカリカリな食感にならない。
ふにゃふにゃ。焦げる。砂糖がベタベタ。

そこから試行錯誤が続きました。
なんで作り続けたかと聞かれれば、その当時は「なんとなく」って答えただろうけど、今は少し言葉にできます。

芋けんぴはおもしろい。
きっと自分で作れるようになったら、もっとおもしろい。
自分で作って自分で食べるのもいい。みんなでわいわい食べてもいい。
家で食べるのもいい。外で食べるのもいい。
シンプルだからこそ、そのできる過程を意識することができる。
意外と奥が深くて広がる。


僕の目標のひとつが、
「家で芋けんぴを作る人が増えて、いろんな楽しみ方が生まれること」
です。

そのためにここで、「ちゃんと簡単に作れる芋けんぴのレシピ」を公開したいと考えています。
試行錯誤の結果が実を結び、だいぶ公開できる準備が進んできました。

もうちょっと。
ぜひご期待ください。
芋けんぴを楽しみましょう!